10年目の3.11。音楽を通して感情に近づく

10年前の3月11日私はシカゴにいました。アメリカのテレビでもその話題で持ち切りで恐ろしい映像にテレビに釘付けになっていたのを思い出します。一番印象に残っているのはある町の人口の殆どの人達の確認が取れていないというニュースで、町ごと津波に呑まれてしまったのかと思った時の恐怖は忘れられません。10年後の3月11日のレッスンに来た子供たちもやはりその話題が上がりました。怖くて恐ろしい、10年経った今でも。一瞬で全てが変わってしまった人達、原発事故や未だに仮設住宅で暮らしている人達等、まだ終わっていない事故の大きさに圧倒されます。小学6年生の子のレッスンで、津波で流される人の映像で寝られなくなったという話がありました。3月11日はレッスンでも特別な重い気持ちがあります。その子はベートーベンの月光を練習していたので、演奏を被害に遭われた人達へのメッセージとして弾く事になりました。急に演奏が変わり、その子の思いが曲を通してまるでレクイエムの様に聴こえてきた事にとても驚いたと同時に心に響いた瞬間でもありました。感情や気持ちは衝撃的な事が起これば嫌でも感じますが、訓練が必要な事でもあります。複雑に入り組んだ感情は意識の中から掘り起こさなければ埋もれてしまう物も沢山あります。音楽を学ぶ事の一つに『自分の感情を常に意識する』という事が実感出来たレッスンでした。


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