ピアノが上手い人と聞くと、どういう演奏をする人を思い浮かべるでしょう?多分指が速く動いて難しい曲が弾ける人が一番に思い浮かぶかもしれません。私が思うピアノの上手な人とは、ズバリ「自然に弾ける人」です。その演奏が、この曲って「これ以外考えられない」というほど自然に流れるというか。グレン グールドはその筆頭で、彼がバッハを弾く時は、グールドが弾いているというよりバッハの魂が乗り移ってバッハが弾いている様に聞こえます。
生徒さんも、ピアノを習っていて先生に言われている事が分からない事もあると思います。少し前にある興味深い会話を生徒さんとしました。「ピアノのレッスンで、私は、どんな時にここはこうじゃないよ。とかこう弾いて?と言うか知ってる?」と聞いたら「間違えている時?」と生徒さんは答えました。音間違いやリズム間違いは勿論直します。でも、その他の事で直すとしたら、それは「不自然に聞こえる時、変な風に聞こえる時」なのです。演奏において、正しい事をしようとすると見失う事もあると思います。綺麗に聞こえない=不自然な音の流れです。フレージング、理解力、感性、技術等、要素は色々あり単純ではないと思います。先生に言われて、何でこうしなくてはいけないのだろう?と思ったら、自分の演奏をよく聴いてみて下さい。音楽が美しく流れている様に聞こえない要素がそこにあると思います。教える立場に立って考える事が、客観的に自分の演奏を考える良い機会でもありました♪
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